「これ、もう限界じゃないですか?」 食品値上げ減速の裏で進む「物流費要因73.6%」の圧力――供給網に蓄積する静かな危機とは
食品値上げは70品目と4か月ぶりの低水準に減速したが、累計6290品目はなお高水準。前年比6割減の裏で、物流費73.6%・包装資材69.9%が示す構造的コスト圧力は解消していない。
迫り来る事業縮小の波と失われる供給能力

これから先、私たちが向き合う未来はいくつかにわかれるだろう。
今のままの状態が続けば、体力を削られた企業から順に市場を去っていくことになる。ナフサの不足がさらに深刻さを増す事態になれば、包装資材の費用が製品の値段をさらに押し上げるだろう。
実際、アンケートに答えた食品企業の56.2%が、半年後の10月までに主力事業縮小せざるを得ないと見込んでいる。資材が手に入らなければ、出荷そのものが止まり、運び届ける仕組みも滞ってしまう。もし情勢が落ち着いたとしても、円安の影響は消えず、現場の混乱が収まるまでにはかなりの時間を覚悟しなければならない。
値上げの知らせが少なくなったことは、果たして事態が良くなった証しなのだろうか。それとも、さらに大きな波が来る前の、つかの間の凪(なぎ)に過ぎないのか。原材料高(99.6%)や運び賃(73.6%)の重みは、配送の回数が減ったり、モノが届くかわからない不安が広がったりといった形で、輸送網のなかに確実に溜まっている。