「ガソリン30%急騰」の足音? ホルムズ封鎖が突きつける「マイカー維持」「海外旅行」を揺るがす危機 米国の価格上昇から読む
ホルムズ海峡で原油輸送がほぼ停止し、通過船は3隻に急減。世界輸送の約2割を担う要衝の混乱で、原油価格は年33%上昇の見通しとなり、日本経済や移動の自由にまで影響が及び始めている。
石油依存構造の脆さ

リポートを読み解くと、そこにあるのは一時的な価格高騰への不安ではない。石油に頼り切った私たちの「移動」という仕組みそのものが、外部の揺さぶりにあまりに脆いという事実だ。
今回の事態を受け、日本の2026年度の実質成長率は、何事もなかった場合に比べて0.1%から0.2%ポイントほど押し下げられる見通しとなった。この数字が突きつけるのは、これまで享受してきた移動の自由が、石油という限られた資源に支えられた、危うい均衡の上に成り立っていたという現実である。
これからは、新しいエネルギーへの乗り換えや、移動の回数そのものを絞るといった取り組みが、理想の段階を越えていくだろう。それらは、もはや社会を保つための切実な手段とならざるを得ない。ホルムズ海峡を通過する船がわずか3隻にまで減ったあの日、安く自由にどこへでも行けるという前提は崩れたのだ。
移動すること、そしてそれを前提に成り立つ社会のあり方は、今、根本からの見直しを迫られている。