「ガソリン30%急騰」の足音? ホルムズ封鎖が突きつける「マイカー維持」「海外旅行」を揺るがす危機 米国の価格上昇から読む

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ホルムズ海峡で原油輸送がほぼ停止し、通過船は3隻に急減。世界輸送の約2割を担う要衝の混乱で、原油価格は年33%上昇の見通しとなり、日本経済や移動の自由にまで影響が及び始めている。

航空運賃上昇と移動制約の拡大

飛行機(画像:写真AC)
飛行機(画像:写真AC)

 かつて「空の旅」は、誰もが手の届く手軽なものへと開かれてきた。しかし今、その潮流が逆回転を始めている。航空分野は、再び限られた層だけが享受できる特別な移動手段へと戻りつつあるのだ。

 航空会社の経営において、燃料費が占める重みは極めて大きい。原油価格の上昇は、そのまま航空券の価格に直結する。すでに株式市場はこの先読みを終えており、空運関連の銘柄は収益の悪化を嫌気して大きく値を下げた。運賃がさらに高騰していくという見方は、もはや避けられない情勢だ。

 さらに、渡航先での環境も追い打ちをかける。例えば欧州では、実質成長率が0.3%ポイントほど削られる一方で、物価は0.7%ポイント以上も上がる見通しとなっている。高い運賃を払ってようやく現地にたどり着いたとしても、そこで待っているのは凄まじい物価高だ。移動と滞在、その両面で二重の負担を強いられることになる。

 こうした状況下で、人々の足が遠のくのは必然だろう。欧州や北米といった長距離の移動は目に見えて減り、代わりに韓国や台湾など、近場への旅に需要が押し込められていく。海外旅行は、かつてのように「誰もが広く楽しめるレジャー」ではなくなりつつある。遠くの国へ行くこと自体が、一部の層に許された特別な行為となる。そんな二極化の波が、私たちのすぐそばまで押し寄せている。

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