「ガソリン30%急騰」の足音? ホルムズ封鎖が突きつける「マイカー維持」「海外旅行」を揺るがす危機 米国の価格上昇から読む
ホルムズ海峡で原油輸送がほぼ停止し、通過船は3隻に急減。世界輸送の約2割を担う要衝の混乱で、原油価格は年33%上昇の見通しとなり、日本経済や移動の自由にまで影響が及び始めている。
燃料高騰と家計圧迫の拡大

家計のゆとりを奪うこの荒波は、燃料価格の上昇といった言葉で片付けられるものではない。もはや私たちの生活の土台そのものが揺らぎ始めている。先行する米国では、ガソリン価格がわずか1か月で30%も急騰した。この数字は、やがて日本を襲うであろう生活環境の激変を予告しているかのようだ。
国内に目を向ければ、物価上昇率は0.2%から0.4%ポイント以上も押し上げられるとの予測が出ている。収入が伸び悩むなかで、人々の財布の紐は、移動手段の維持といった「どうしても削れない支出」に縛り付けられていく。
株式市場の動きも不穏だ。ゴム製品関連の銘柄が大きく値を下げている事実は、タイヤをはじめとする消耗品コストの膨張を市場が織り込み始めたことを意味する。それは同時に、自家用車という資産の価値を内側から蝕んでいる証左でもあるだろう。
燃料代だけでなく、部品や日々の整備にかかる費用までもが跳ね上がる。そうなれば、車はもはや生活を助ける便利な道具ではなく、家計を圧迫するばかりの重荷に変わりかねない。維持するコストが手にする利便性を上回ったとき、特に地方において車を手放す動きが加速するのは目に見えている。そうなれば、中古車市場の相場も崩れていくだろう。
私たちが直面しているのは、個人の努力でどうにかなる節約の問題ではない。「移動する」という当たり前の権利を維持すること自体が、かつてないほど困難になる。そんな地殻変動が、今まさに進んでいるのだ。