「ガソリン30%急騰」の足音? ホルムズ封鎖が突きつける「マイカー維持」「海外旅行」を揺るがす危機 米国の価格上昇から読む
ホルムズ海峡で原油輸送がほぼ停止し、通過船は3隻に急減。世界輸送の約2割を担う要衝の混乱で、原油価格は年33%上昇の見通しとなり、日本経済や移動の自由にまで影響が及び始めている。
海上輸送網の途絶と原油流通

同リポートが示唆するように、私たちが享受してきた「安定したエネルギー」という大前提が、今まさに崩れようとしている。混乱の引き金となったのは、中東での軍事衝突だ。この事態により、社会の血流とも言える海上輸送の道が事実上、断たれてしまった。
世界の原油輸送の要、ホルムズ海峡。ここを日々通り抜ける約2000万バレルの原油のうち、じつに8割が日本を含むアジアへと向かう。この物流の“目詰まり”は、燃料不足という話ではない。社会のあらゆる仕組みを動かす動力が、根底から失われることを意味している。
もちろん、海路以外の備えがまったくないわけではない。サウジアラビアを横断するパイプラインには日量300万から500万バレル、アラブ首長国連邦のパイプラインにも70万バレルを運ぶ力がある。だが、これらはあくまで一時的なしのぎに過ぎない。海峡を流れる膨大な原油をすべて肩代わりするなど、到底不可能なのが現実だ。
追い打ちをかけるように、政治の先行きも暗い。トランプ大統領は4月1日の演説で、今後2週間から3週間のうちに強い攻撃に踏み切る可能性をにじませた。これにより、早期停戦への期待は急速に冷え込んでいる。原油価格が年平均で33%ほど跳ね上がると予測される背景には、物不足だけではない。いつ終わるとも知れない政治的な不透明さが、人々の不安を価格として押し上げているのだ。