「車の維持費ショック」の正体――なぜ7割は“整備見積書”に絶望するのか? 任せきりで膨らむ費用の仕組みとは
車検や整備で想定外の出費を経験した人は52.0%。70.3%が費用を高いと感じる一方、対策を取る層は2割程度にとどまる。維持費の負担感は広がりつつある。背景には電動化や安全装備の標準化もある。構造的な負担がじわりと広がる。
見積もり超過の常態化

車検に行ったら「想定の1.5倍」の金額を示された――。
こうした声がディーラー現場では珍しくない。実際、半数を超える人が想定外の出費を経験している。背景には、整備の中身が見えにくいことと、販売店への依存があるだろう。
NEXER(東京都豊島区)と富士屋硝子店(栃木県小山市)が2026年3月に行った共同調査では、全国の男女400人のうち208人、52.0%がメンテナンスで予想外の支払いを経験したと答えている。その内訳を見てみよう。
Q.どのような出費が予想外でしたか?(複数回答可)
・1位 バッテリー交換:52.4%
・2位 タイヤ交換:48.6%
・3位 車検時の追加整備:33.2%
・4位 ブレーキ関連の修理・交換:15.9%
・5位 オイル漏れ・エンジン関連修理:14.9%
・6位 エアコン修理:10.6%
・7位 ライト・電装系の修理:10.1%
・8位 フロントガラスの交換・修理:6.3%
・その他:5.8%
調査全体では、メンテナンス費用について
「70.3%」
が「想定より高い」と感じている。特に負担感は上位の項目に集中している。年間の維持費を3万円未満と見積もる層が48.6%にのぼり、必要な整備を後回しにする傾向も見える。こうした認識のずれの背景には、
「車は購入後に大きな費用がかからない」
という見方がある。だが実際には、上記の52.0%が経験した想定外の支払いは、先送りされてきた整備が一気に表に出たものでもある。安全を保つための負担が、ある時点でまとめて現れる構図になっているのだ。