「車の維持費ショック」の正体――なぜ7割は“整備見積書”に絶望するのか? 任せきりで膨らむ費用の仕組みとは

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車検や整備で想定外の出費を経験した人は52.0%。70.3%が費用を高いと感じる一方、対策を取る層は2割程度にとどまる。維持費の負担感は広がりつつある。背景には電動化や安全装備の標準化もある。構造的な負担がじわりと広がる。

費用抑制行動の欠落

「車の維持費・メンテナンス費用に関するアンケート」調査(画像:NEXER)
「車の維持費・メンテナンス費用に関するアンケート」調査(画像:NEXER)

 なぜ整備費用への納得感がここまで弱いのか――。

 その背景には、利用者の行動と市場の構造が重なり合ったまま維持費の負担が膨らむ流れがあるからだろう。調査で目を引くのは、7割が費用を高いと感じている一方で、79.5%が費用を抑える工夫をしていない点だ。この差の裏には、車の仕組みが複雑になるなかで、中身を十分に追い切れない不安を、結果として支払いの受け入れで埋めている状況がある。利用者の多くは、

「ディーラーであれば安心だ」

という感覚で判断を委ねている。ただその安心は、別の選択肢で問題が起きるかもしれないという不安と表裏になっている。そのため、整備専門店に切り替える動きや自分で点検する余地は広がりにくい。45.0%の専門店利用経験者や42.7%の工夫をしている層が持つような、価格を見比べる視点も限定されていくだろう。

 結果として、比較が十分に行われないまま提示された見積もりを受け入れる流れが続く。その積み重ねが、想定を超える負担につながっているのだ。

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