「その30km、本当に安全ですか?」 生活道路の事故1.9倍が突きつける、標識依存から“形で制御する”交通設計への転換とは

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全国の人身事故は29万件台まで減少した一方、道幅5.5メートル未満の生活道路では死傷者数が広い道路の約1.9倍に達する。ゾーン30プラスは物理的制御で速度抑制を強め、死亡率3.0%に上昇する危険域を抑え込もうとする取り組みだ。

生活道路に残る事故の偏在

交通事故発生件数と車道幅員5.5m未満道路の交通事故発生率の推移(画像:国土交通省)
交通事故発生件数と車道幅員5.5m未満道路の交通事故発生率の推移(画像:国土交通省)

 ゾーン30プラスで対策を強める背景には、生活道路での事故が十分に減りきっていない現実がある。

 警察庁によると、2025年の全国の人身事故は29万895件で、10年前の57万3842件から大きく減少した。ただ、その一方で、道幅5.5m未満の道路で起きる事故の割合は、10年前から23~24%ほどでほとんど変わっていない。さらに、5.5m以上の道路と比べると、狭い道路では事故による死傷者数が約1.9倍に上る。全体の事故が減っているにもかかわらず、生活道路の危険が残り続けていることは、これまでの安全対策が幹線道路側に寄っていたことを示している。

 被害者の内訳を見ると、亡くなった人のおよそ半数は歩く人や自転車の利用者で占められている。そのうち48%は自宅から500m以内で起きているという事実もある。慣れた道での気のゆるみが、結果として大きな被害につながっている面は否定しにくい。

 また、車の速度が時速30~40kmに上がると死亡する割合は3.0%まで上昇し、20~30kmの0.9%や20km以下の0.6%と比べて急に高くなる。この数字の差は、わずかな速度の違いが結果を大きく左右することを示している。人の安全を守るには、こうした見落とされやすい危険を仕組みの側で補う必要がある。

 生活道路での速度をしっかり抑えることは、社会全体の損失を減らすうえで避けて通れない課題になっているのだ。

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