BYD世界6位で露呈したEV競争の転換点――なぜ「車の出来」では勝敗が決まらなくなったのか?

キーワード :
,
EV競争は車の出来から、電力・ソフト・データを含む利用環境へ移った。中国は2700万台で首位、BYDが台頭。購入検討は約2週間へ短縮し、42%がEV志向。勝敗は車外の価値で決まる。

電動化競争の軸移動

理想汽車のウェブサイト(画像:理想汽車)
理想汽車のウェブサイト(画像:理想汽車)

 これまで自動車の電動化は、「駆動の仕組みが変わること」を軸に語られてきた。だが、その見方はすでに現実とかみ合っていない。競争の中心は、車そのものから離れつつある。

 日常での電気自動車(EV)の使い方を見れば明らかだ。電気を供給する仕組み、車の動きを制御する仕組み、車内で使う情報サービス、走行データの集積と活用まで、従来とは異なる一体的な利用環境が広がりつつある。

 いま問われているのは、どの企業が優れた車を作るかではない。人の移動と暮らしをどこまで取り込み、つなぎ合わせられるかである。

 この変化を端的に示しているのが、中国市場で進むEVの広がりだ。2025年の世界新車販売では、中国が国別で初めて首位となった。中国メーカー全体で約2700万台と前年より約1割増え、比亜迪(BYD)はフォードを上回って世界6位、浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)はホンダを上回って世界8位に入った。

 とりわけBYDは、もともと電池メーカーとして出発し、その強みを土台にEVの開発と生産を進めてきた。こうした動きは、従来の自動車メーカーの延長では捉えきれない競争が始まっていることを示している。見方や分析の枠組みを改めなければ、実態を取り違える恐れがある。

全てのコメントを見る