BYD世界6位で露呈したEV競争の転換点――なぜ「車の出来」では勝敗が決まらなくなったのか?

キーワード :
,
EV競争は車の出来から、電力・ソフト・データを含む利用環境へ移った。中国は2700万台で首位、BYDが台頭。購入検討は約2週間へ短縮し、42%がEV志向。勝敗は車外の価値で決まる。

出自の差が生む優位

2026年3月26日発表。主要メーカーの電動車(xEV)販売台数推移(画像:マークラインズ)
2026年3月26日発表。主要メーカーの電動車(xEV)販売台数推移(画像:マークラインズ)

 上記の中国メーカーは、その出どころに特徴がある。電池、ソフト、機器、開発の進め方、意思決定に至るまで、従来の自動車メーカーとは大きく異なる。この違いを強みに変えている。もともと持つ力をEVに生かし、事業を広げてきた。普及に向けて重要な部分に自社の強みを当て、課題の解消に結びつける力がある。普及を妨げてきた要因を見極め、それに手を打つ点で、従来のメーカーより前に出る傾向が見て取れる。

 一方、既存の自動車メーカーはエンジン車の生産で長い歴史を持つ。そのため発想は、従来の車を土台に電気化へ置き換える方向に寄りやすい。この考え方では、普及を妨げる本質的な課題に焦点を当てにくい。これまでの積み重ねが視野を狭め、何を活用して課題を解くべきかを見えにくくする。その結果、変化が遅れ、販売も伸び悩む。

 中国メーカーの電池や基本ソフトの動きを見ると、先に標準を押さえた側が収益の配分を握る構図が浮かぶ。実際に販売実績にもつながっている。囲い込みは批判を受けることもあるが、競争の場では理にかなった動きともいえる。シャオミは2025年12月期に純利益が76%増え、シャオペンも同年10~12月期に初の黒字を計上した。両社ともBYDに続き、それぞれの強みを生かしながら着実に伸びている。

全てのコメントを見る