「8回以上の督促」さえ拒否―― 電動キックボードで全国初の書類送検、“免許不要制度”の構造的欠陥とは
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都市で急増する電動キックボードの多くは、免許不要の「特定小型原動機付自転車」。制度開始から約2年、警視庁は講習命令を拒否した男性を全国初めて書類送検した。事故は2025年に280件、9割に違反が絡む。利便性を優先した新モビリティは、統治コストという新たな課題を突きつけている。
免許不要という前提

電動キックボードなどの特定小型原動機付自転車は、特定の乗り物だけを指す名称ではない。これは法律上の枠組みであり、代表的な車両として電動キックボードが広く知られている。
こうした仕組みが導入された背景には、都市部での短距離移動の需要増や、シェアリング事業の拡大、脱炭素に向けた小型電動車両の普及促進がある。
自転車と原付の中間にあたる車両を普及させるため、16歳以上なら免許を持たずに公道を走れるルールが2023年7月から始まった。最高速度を20km/hに抑え、交通違反を繰り返した場合には講習を受けさせることで、知識や意識を高めようとしている。
参入の壁を極限まで下げることで市場を一気に広げようとした狙いがあるが、それは安全教育の負担を個人の責任から
「公的な役割」
へと移したことを意味している。知識を持たない利用者を車道へ送り出したことで、安全を維持するためにかかる労力を行政が引き受けている状態にある。