「もう、近道は許さない」 外免切替の“激辛化”が突きつける現実――これまで目を逸らしてきた「安全のコスト」とは

キーワード :
,
2025年10月の外免切替厳格化で「技能確認」合格率は13.1%に急落。安全基準強化が労働力供給を圧迫し、物流・サービス業のコストと競争構造に直撃する、日本公道の「入場料」改革の現実。

日本による均衡点の選択

試験難化が与える物流への影響。
試験難化が与える物流への影響。

 これまで安さばかりを追い求めてきた働き手の集め方を改め、公道の安全を何よりも重んじる方向へかじを切ったからである。「知識確認」が92.5%から42.8%へ、「技能確認」が30.4%から13.1%へと一気に落ち込んだ事実は、これまでの仕組みがいかに甘い基準で動いていたかをはっきりと見せつけた。

 もっとも道路の安全と経済を回すことは、どちらかを選べば済む話ではない。厳しい絞り込みがこのまま続けば、配送料の上昇や地方での移動手段の不足、サービスの質の低下が目に見える形で現れてくるだろう。

 この重い課題に、すぐ出せる答えなどない。行政は試験を厳密に行う一方で、言葉の壁を取り払う学習支援や、効率よく受けられる体制を整える必要がある。企業も免許取得の費用を「人を育てるための投資」として捉えるような、福利厚生のあり方を見直す時に来ている。

 今回の変化は、試験問題が入れ替わったという話にとどまらない。日本の公道を走り、働くための「入場料」を、今の社会に合わせて決めたものだ。安全はただではない。そのための費用を、社会全体でどう分担していくか。この積み重ねこそが、これからの産業を支える本当の力になっていくはずだ。

全てのコメントを見る