「もう、近道は許さない」 外免切替の“激辛化”が突きつける現実――これまで目を逸らしてきた「安全のコスト」とは

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2025年10月の外免切替厳格化で「技能確認」合格率は13.1%に急落。安全基準強化が労働力供給を圧迫し、物流・サービス業のコストと競争構造に直撃する、日本公道の「入場料」改革の現実。

合格率13.1%の経済的意味

日本運転イメージ(画像:写真AC)
日本運転イメージ(画像:写真AC)

 ここからが本当の問題だ。外免切替は、役所での手続きという枠を飛び越え、人手が足りない現場に働き手を送り出す大切な道として使われてきた。物流やタクシー、配送といった現場にとって、外国からの働き手をすぐに戦力にするための近道だったのである。

 試験さえ通ればすぐに働き始められる。企業は人を育てる時間やお金を大幅に浮かせることができていた。だが「技能確認」の合格率が13.1%まで下がった事実は、こうした仕組みを土台から崩している。

 10人を集めても9人は不合格となり、再び受けるまでには長い待ち時間が必要になる。試験が午後に1回しかないという決まりもあり、働けない期間が長引くことは経営を強く圧迫する。これまでは安全を守るための手間を海外に任せることで、外に負担を押し付けていた面がある。

 だが13.1%という低さは、日本の道を走るための教育が、もう避けて通れない投資であることを示している。数十万円かかる教習所の費用を会社で持つか、あるいは人を集めるのを諦めてサービスを削り、その分を配送料に上乗せするか。安全を求める動きは、働き手の供給を厳しく絞り込む経済的な壁となっている。

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