「20億円で終わらせます」 JR久留里線9.6km廃止は“手切れ金”なのか?――営業係数6694円が示した現実的終点
営業係数6694円、1日76人。JR東日本は久留里線9.6kmを廃止し、18年分20億円を拠出してバスへ転換する。首都圏初の路線廃止は、赤字年2億円の現実と費用対効果を突きつけた決断だ。
“手切れ金”の方が安上がり

JR東日本と君津市は、2025年6月23日に開かれた君津市地域公共交通会議で、代替バスの運行計画案を公表している。計画案では、現在の廃止対象区間の運行本数が1日8.5往復であるのに対し、代替バスは13往復を運行する。
運行主体は君津市で、定時定路線の「久留里・松丘・亀山線」(仮称)として運行し、一般乗合旅客自動車運送事業の許可を受けた事業者に委託する。委託費用はJR東日本が負担金として拠出する。ルートはおおむね並行する国道を通るが、上総亀山側の起点は亀山湖畔の観光施設「やすらぎ館」とし、久留里側では君津青葉高校にも乗り入れる。高校や観光施設の利用者を見込んだ運行内容である。
運賃は既存のコミュニティーバスと同様の均一運賃とし、大人200円、小人と高齢者は100円を想定している。運行距離を踏まえると、一般的な路線バスより低い水準となる。
2月17日の基本合意は、おおむねこの計画案に沿った内容とみられる。
廃止対象区間の赤字は年間約2億円である。基本合意では、JR東日本が代替バスの費用として18年分の20億円を拠出する。一方、現状のまま鉄道を18年間維持すれば、単純計算で赤字は36億円に達する。費用面だけで見れば、今回の“手切れ金”の方が小さくなる計算だ。