「20億円で終わらせます」 JR久留里線9.6km廃止は“手切れ金”なのか?――営業係数6694円が示した現実的終点
営業係数6694円、1日76人。JR東日本は久留里線9.6kmを廃止し、18年分20億円を拠出してバスへ転換する。首都圏初の路線廃止は、赤字年2億円の現実と費用対効果を突きつけた決断だ。
路線バスでも存続が厳しい区間

久留里線は、東京湾に面した木更津と房総半島内陸部の上総亀山を結ぶ32.2kmの路線である。千葉県内のJR線で唯一の非電化路線だ。2009(平成21)年3月には全線が旅客営業規則上の「東京近郊区間」に指定され、ローカル線でありながら一部は大都市近郊路線として扱われている。
JR東日本が2025年10月27日に公表した「ご利用の少ない線区の経営情報(2024年度)」によると、久留里線のうち存続区間となる木更津~久留里間の運輸収入は6600万円、営業費用は8億3300万円で、営業係数(100円の収入を得るのにかかった費用を示す指標)は1253円となっている。廃止対象の久留里~上総亀山間は、運輸収入が300万円、営業費用が2億200万円で、営業係数は
「6694円」
に達する。木更津~久留里間も大幅な赤字だが、久留里~上総亀山間は経費が収入の60倍を超え、同社が公表した線区のなかでも下位に位置する水準である。
久留里~上総亀山間の1日あたりの平均通過人員は、1987(昭和62)年度の823人から2024年度は76人へと減少した。37年間で
「91%」
の減少である。JR東日本は東北地方を中心に赤字路線を多く抱えているため、国鉄分割民営化後に初めて廃止となる路線が首都圏にあることは意外に映るかもしれない。しかし、1日76人という利用状況は、大量輸送を前提とする鉄道としては厳しい水準であり、路線バスであっても維持は容易ではない規模である。