日本初の「第三セクター鉄道」、補助金が「稼ぎの2倍超え」だった――29年ぶり運賃改定の行方とは

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年間7億円の赤字で29年ぶりに運賃を値上げする三陸鉄道。沿線人口減と震災被害、行政依存の構造下で163km最長路線を維持し、関連事業の収益は全体の10%にとどまる。

今期の過去最大赤字の可能性

リアス線を走行する気動車(画像:三陸鉄道)
リアス線を走行する気動車(画像:三陸鉄道)

 国土交通省は2026年1月26日、三陸鉄道(岩手県宮古市)が2025年10月30日に申請していた旅客運賃上限の変更を認可した。改定率は定期外が10.4%、通勤定期が7.1%、通学定期が2.3%で、全体では7.4%にあたる。

 運賃改定は3月14日から実施され、初乗り(3km以下)は200円から220円に、最長区間(163km)は3780円から4160円に値上がりする。同社が上限運賃の変更を認可されるのは、消費税率引き上げを除けば1997(平成9)年12月以来29年ぶりだ。

 同社の公式サイトによると、第44期(2024年4月1日~2025年3月31日)の営業収益は4億5155万円に対して営業費用は11億6233万円となり、営業利益は7億1078万円の赤字だった。経常利益も6億7945万円の赤字で、補助金などを加味した当期純利益でも3215万円の赤字となった。経常利益の赤字は31期連続で、赤字額は過去2番目の大きさだった。当期純利益も2年ぶりの赤字に転じている。第45期(2025年4月1日~2026年3月31日)については、一部報道によれば過去最大の赤字額になる見通しだ。

 運賃値上げの理由について、同社は

・燃料費や資材費の高騰による経費増
・沿岸人口の減少による旅客収入の減少

など厳しい経営環境を挙げる。これに対応して経営基盤を強化し、安全輸送の確保やサービス向上を進めるためとしている。

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