「二種免許」は本当に必要なのか? 「30万円の取得費が壁」――ライドシェア解禁を阻む国家資格の経済的矛盾
日本版ライドシェアが動き出した一方、二種免許の取得には20万~40万円と1週間以上が必要だ。安全を支える資格は、ドライバー不足とどう折り合うのか。デジタル運行管理が広がるなか、制度の役割を再検証する。
形骸化した試験項目

二種免許の試験には、鋭角コースの通過や深視力検査など、一種免許にはない評価項目が含まれている。旅客を乗せて運行する以上、より高い操作精度や安全確認能力が求められるという考え方が、その前提にある。公共交通の一端を担う存在として、一定水準以上の技能を確認する意義は、これまでも重視されてきた。
他方で、これらの試験項目が現在の交通環境において事故率の低減にどの程度寄与しているのかについては、公的に広く共有された定量データは必ずしも多くない。
「試験内容と事故発生率との関係」
については、改めて客観的な検証を重ねていく余地がある。制度の信頼性を維持するうえでも、根拠の可視化は重要な論点となる。近年の車両には、
・自動ブレーキ
・車線逸脱警報
・誤発進抑制
・周囲監視カメラ
などの安全支援技術が広く搭載されている。かつてはドライバーの身体能力や経験に依拠していた安全確保の多くが、センサーや電子制御によって補完されるようになった。加えて、高精度なナビゲーションや配車システムの普及により、地理の詳細な把握に依存する場面も減っている。
もちろん、最終的な責任を担うのはドライバーであり、その重要性が失われるわけではない。ただし、数十年前に形づくられた試験項目が、現在の技術環境においてどのような意味を持つのかについては、継続的な見直しが求められる。
個人の技能を確認する枠組みと、車両性能や運行管理技術を活用した安全確保の手法とを、どのように組み合わせていくのかが、今後の課題となるだろう。