「二種免許」は本当に必要なのか? 「30万円の取得費が壁」――ライドシェア解禁を阻む国家資格の経済的矛盾
日本版ライドシェアが動き出した一方、二種免許の取得には20万~40万円と1週間以上が必要だ。安全を支える資格は、ドライバー不足とどう折り合うのか。デジタル運行管理が広がるなか、制度の役割を再検証する。
ギグ経済の広がりを抑制する参入障壁

まず検討すべきは、費用と時間の負担である。二種免許の取得には、教習所経由で平均20万~30万円程度が必要とされ、技能教習や学科教習、検定を含めると、一定期間まとまった日程を確保しなければならない。
フルタイムで働く人や副業を考える人にとって、この準備期間は調整が容易とはいい難い。初期費用が比較的大きいため、短時間の稼働で収入を得ることを想定する場合、投じた費用を回収するまでに時間を要する可能性がある。
他の就労形態と比べると、その特徴はより明確になる。フードデリバリーや軽配送であれば、自転車や車両、スマートフォンなどを用意すれば比較的早期に業務を始められる。一方、旅客運送では事前の講習や試験が求められ、準備段階での負担が大きい。こうした違いは、柔軟な働き方を前提とする近年の就労モデルとの間に一定の距離を生んでいる。結果として、参入を検討しながらも踏み切れない人が一定数存在し、ドライバー不足の議論にも影響を与えている可能性がある。
また、本来であれば活用し得る自家用車という資産が、十分に稼働していない側面も考えられる。供給不足が指摘される地域において、こうした未活用の車両が存在することは、移動手段の確保という観点からみればひとつの課題といえるだろう。