なぜ、地方のコンビニ駐車場は「無駄に広い」のか?

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全国に5万6000店超のコンビニのうち、地方店が広い駐車場を持つ理由は、車の流れを取り込み利益を確保するだけでなく、大型トラックの休憩や災害時対応、将来のEV充電まで見据えた戦略的投資にある。

駐車場依存

コンビニのイメージ(画像:写真AC)
コンビニのイメージ(画像:写真AC)

 地方でコンビニが広い駐車場を用意する最も基本的な理由は、車なしでは生活が成り立たない地域特性にある。都会なら歩いてくる人や電車・バスを使う人が中心で、駐車場がなくても商売は成り立つ。ただ地方では、車で来られない店は存在していないのと同じ扱いになる。品揃えが良くても、停める場所がなければ素通りされる。

 地方の道路沿いの店では、駐車場は付け足しの設備ではなく、道路の延長のような役割も担う。ドライバーの判断は、買い物の必要性より、走っている途中で減速して車線を変え、停車する手間をどれだけ減らせるかに集約される。

 もし駐車場が狭ければ、車を入れるときに事故への不安を感じたり、何度もハンドルを切り返したりといった負担を客に強いることになる。広い駐車スペースは、店側が土地を確保することで、客が感じるこうした心の負担をなくすための投資だ。停めにくさは客の再来意欲に直結するため、土地の広さは、客の便利さを支える経営資源ともいえる。

 郊外の大通り沿いや新しく開発された地域で店を出す場合、車を10~20台停められる駐車スペースの確保が前提になることが多い。つまり地方店の広い駐車場は、客が店を利用するために必要な

「経営上の前払い」

とも考えられる。十分な広さを確保することで、店は客が車を操作するときのストレスを吸い取り、売上の基盤を維持できるのだ。店の入り口が道路のずっと手前まで伸びているような状態を作ることで、ドライバーが遠くからでも「あそこなら楽に停められる」と確信できる安心感を与えている。

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