なぜ、地方のコンビニ駐車場は「無駄に広い」のか?
全国に5万6000店超のコンビニのうち、地方店が広い駐車場を持つ理由は、車の流れを取り込み利益を確保するだけでなく、大型トラックの休憩や災害時対応、将来のEV充電まで見据えた戦略的投資にある。
トラックの休憩所化

三つめの理由は、大型トラックや長距離を走る車の休憩場所として役立っていることだ。北海道清水町にあるセイコーマート御影店では、駐車場の面積が約5700平方メートルもあり、端から端までは100m近い広さだ。大きな国道沿いにあるため、夜になるとトラックのドライバーが休憩や仮眠のために車を停める姿が当たり前に見られ、道路が雪などで通れなくなったときには、一時的に駐車場が車でいっぱいになることも珍しくないという。
同店が24時間営業でないにもかかわらず、外から利用できるバリアフリーのトイレを設置しているのは、菓子や飲み物を売るだけの場所ではないことを示している。荷物を運ぶドライバーには、法律で定められた休憩を必ず取らなければならない厳しい決まりがある。
ただ、大きなトラックが安全に停まって休める公営の休憩所やサービスエリアは、今でも全然足りていない。地方のコンビニにある広大な駐車場は、国が本来用意すべき休憩場所の不足を自分たちの資金で穴埋めし、日本の荷物運びを途絶えさせないための重要な役割を果たしている。
大きな車を受け入れることで、店は地域のなかの大切な交通の拠点としての立場も手に入れている。この働きは、店の売上を助けるだけでなく、日本中で荷物や人の流れを止めないという、社会全体を支えることにつながっている。遠くから走ってくるドライバーにとっては、安心できる目印や、車を停める場所としての大きな価値がある。結果として、広い駐車場は店の利益だけでなく、地域の道を行き交う車や物流の流れを守る土台となっているのだ。