なぜ、地方のコンビニ駐車場は「無駄に広い」のか?

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全国に5万6000店超のコンビニのうち、地方店が広い駐車場を持つ理由は、車の流れを取り込み利益を確保するだけでなく、大型トラックの休憩や災害時対応、将来のEV充電まで見据えた戦略的投資にある。

無駄ではなく、必然

地方コンビニ駐車場 広い理由。
地方コンビニ駐車場 広い理由。

 地方のコンビニ駐車場が広い理由をまとめると、車がなければ客が来られないこと、ライバルの進出を抑えること、大型トラックの休憩や物流を助けること、そして将来の利益や地域への貢献を見据えた投資、という四つの点にまとめられる。面積あたりの売上だけで効率を判断すれば、地方の店の広い駐車場は無駄に見えるかもしれない。ただ、地方の店は道路を走る車の流れを自分たちの敷地へスムーズに導き、地域の移動や物流を支える役割を果たしている。

 全国に5万6054店が存在する今、都会の店と地方の店では役割がはっきりとわかれている。都会では歩いている人の流れが商売の前提になるが、地方では走っている車の流れをいかに取り込むかが欠かせない条件になる。広い駐車場を備える地方の店は、ひとつひとつの店の利益率という考え方では効率的とはいえないかもしれないが、地域の移動や物流を助ける価値はとても高いものだ。大きな車を受け入れ、長い時間の滞在にも対応できる形は、国や自治体が担うべき地域の負担を民間の会社が代わりに引き受けているひとつの姿といえる。

 効率だけを求める考え方が広まるなかで、あえて余った空間を持つ地方の店のあり方は、本当の効率のよさとは何かを教えてくれる。広い駐車場は無駄な費用の塊ではなく、地域とのつながりを保ちながら、次の時代の成長や利益の拡大を支えるための大切な経営資源だ。土地の余裕があるからこそ、物流の仕組みが変わったり、災害が起きたり、EVの充電が必要になったりと、これから起こる色々な変化に柔軟に対応できる。

 この広大な余白は、将来何が起きても対応できるための備えであり、地方のコンビニがこれからも長く商売を続けていくためのしっかりとした土台となっているのだろう。

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