「茨城のローカル線」まさかの3km延伸へ――あの廃止表明から20年、赤字からの逆転劇に「観光・通勤需要」も期待の声か

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国土交通省は、ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸を含む再構築計画を認定した。総事業費148億円を自治体が支え、2036年度までに阿字ヶ浦~国営ひたち海浜公園西口間3.1kmを延伸。年間輸送118万人のローカル線が観光と通勤・通学需要を取り込み、地域活性化の新たな局面を迎える。

第三セクター移管による再建と観光依存抑制

JAFが毎年会員向けに開催している車両基地見学会(画像:日本自動車連盟)
JAFが毎年会員向けに開催している車両基地見学会(画像:日本自動車連盟)

 ひたちなか海浜鉄道湊線は、1913(大正2)年に湊鉄道として勝田~那珂湊間が開業した。1928(昭和3)年には現在の勝田~阿字ヶ浦間全線(14.3km)が完成している。

 1944年、戦時中の交通統合で茨城交通湊線となった。茨城交通は2005(平成17)年、赤字を理由に廃止方針を示した。これを受け、2008年に第三セクターである現在のひたちなか海浜鉄道に移管した。出資比率はひたちなか市が51%、茨城交通が49%で、茨城交通は完全には手を引いていない。

 移管にあたり社長は公募され、富山地方鉄道出身で実績のある吉田千秋氏が就任した。2012年には「ローカル鉄道・地域づくり大学 サマースクール」を開校するなど、地域活性化に向けた施策を展開した。2017年度決算では、発足後初の最終黒字(震災復旧補助金を含む)を計上し、再建が進んだことを示した。

 直近の2024年度決算では、輸送人員が118万2442人となり、開業以来の最多を記録した。しかし旅客運輸収入は1億9345万1089円にとどまり、単年度収支は658万円の赤字となった。経営移管で状況は大きく改善したが、決して安定しているとはいえない。

 地図上で湊線を見ると、勝田から那珂湊へ向かい、前述のふたつの市街地を結ぶ形で南東に延びている。そこから北に折れ、磯崎・阿字ヶ浦を結ぶL字型の路線となっている。

 2024年度の旅客収入は、通勤定期が2830万円、通学定期が4622万円、定期外が1億1893万円で、定期は全体の38%を占める。茨城交通時代は海水浴シーズンに上野から直通列車が運行されるなど、対外的には観光・レジャー鉄道のイメージが強かった。しかし、現在は過度に観光需要に依存せず、複数の市街地を結ぶ通勤・通学需要を取り込んでいる。

 現在の終点である阿字ヶ浦駅から国営ひたち海浜公園までは、最短の入り口まで徒歩約20分である。路線を少し延伸すれば、大きな観光需要を取り込める可能性は、地図上から見ても現実的だ。

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