「中古EV」ブームの裏で進む資源流出――実は「中古ハイブリッド車」こそが日本の守るべき“宝の山”だった?
中古EVへの関心が高まる一方、国内に滞留する中古HVは年間200万台規模の資源庫だ。レアアースやモーター部品を国内循環させる仕組み構築が、資源確保と産業戦略のカギとなる。
補助金と解体選択の制度化

中古HVを国内で循環させるには、実効性のある制度を整備することが欠かせない。たとえば、国内での再利用を前提とした購入補助金を設ければ、消費者の選択を国外流出から国内保持へと誘導できる可能性がある。
加えて、輸出前に車両を解体し、特定の資源のみを抽出できる仕組みを制度化すれば、車両全体の輸出を抑えつつ重要資源を確保できる。こうした仕組みは、国内の資源循環を実効的に進めるうえで有効だ。
産業界には、製品のライフサイクル全体に責任を持つ意識が求められる。メーカーがモーターやインバータの保証期間を延長し、回収を義務づければ、開発段階から再資源化の容易さを意識する動機となる。市場面でも、国内流通を促す価格体系の整備が欠かせない。
輸出による短期的利益よりも、国内での流通に十分なメリットをもたせることで、手頃な車両を求める国内ユーザーへの供給を安定させ、資源の国外流出に歯止めをかけることができる。自動車の製造・販売にとどまらず、資源の循環までを見据えた企業の取り組みが、これからの競争力の源泉となるだろう。