「中古EV」ブームの裏で進む資源流出――実は「中古ハイブリッド車」こそが日本の守るべき“宝の山”だった?

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中古EVへの関心が高まる一方、国内に滞留する中古HVは年間200万台規模の資源庫だ。レアアースやモーター部品を国内循環させる仕組み構築が、資源確保と産業戦略のカギとなる。

10年後、統合される資源循環産業

自動車(画像:写真AC)
自動車(画像:写真AC)

 今後を展望すると、5年後には中古HVの解体と再資源化が独立したビジネスとして成立し、国内のレアアース回収率も着実に改善していくと考えられる。さらに10年後には、EVのバッテリー回収とHVのモーター回収が統合され、電動車全体の資源管理を担う産業構造が形成されるだろう。

 この変革期に、消費者の価値観も大きく変わりつつある。車を選ぶ基準は走行性能やデザインにとどまらず、その車がどのような資源循環の仕組みに組み込まれているか、企業の姿勢や社会的貢献度にまで及ぶようになる。

 環境負荷低減の取り組みが日常的に意識されるなかで、中古HV市場は単なる車両売買の場を超え、日本の産業構造を支える資源供給の拠点としての役割を強めていくはずだ。今、私たちは自動車という資産をどう活用し、どう還元するかという、新しい産業の幕開けを目の当たりにしている。

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