「中古EV」ブームの裏で進む資源流出――実は「中古ハイブリッド車」こそが日本の守るべき“宝の山”だった?
中古EVへの関心が高まる一方、国内に滞留する中古HVは年間200万台規模の資源庫だ。レアアースやモーター部品を国内循環させる仕組み構築が、資源確保と産業戦略のカギとなる。
圧倒的な流通量という現実解

経済産業省のデータによれば、HV1台あたりのレアアース使用量は約0.5kgで、EVの約0.8kgに比べると6割程度にあたる。1台ごとの含有量は小さいが、圧倒的な流通台数を考慮すると、その潜在的価値を無視することはできない。
HVが搭載する駆動用モーターやインバータは、すでに国内のリサイクル現場で扱われてきた実績があり、技術的な確実性が高い。開発途上の技術を必要とするEV部材の処理に比べ、既存のインフラを活用できるHVの資源化は、現実的な選択肢として成立する。
加えて、バッテリー劣化による価格変動が激しいEVに比べ、HVは中古車としての市場価値が比較的安定している。そのため、資源回収の仕組みを長期的に維持しやすい利点もある。
将来のEV移行を理由にHVを軽視する議論も見られるが、それは新車販売の数値だけに基づいた議論にすぎない。車両の保有から廃車までの長い期間を考えれば、中古HVは国内に長期間残り続けることになる。重要なのは、社会全体でどれだけ多くの資源を確実に回収できるかという実効性だろう。