「中古EV」ブームの裏で進む資源流出――実は「中古ハイブリッド車」こそが日本の守るべき“宝の山”だった?

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中古EVへの関心が高まる一方、国内に滞留する中古HVは年間200万台規模の資源庫だ。レアアースやモーター部品を国内循環させる仕組み構築が、資源確保と産業戦略のカギとなる。

年間157万台輸出が示す制度の空白

サプライチェーンのイメージ(画像:Pexels)
サプライチェーンのイメージ(画像:Pexels)

 課題の本質は、走行方式の違いではなく、国内にある電動車のストックをいかに資源として扱うかにある。年間157万台にも上る中古車の輸出は、現状の市場が車両を単なる移動手段として再流通させる機能に偏っていることを示している。

 私たちは今、中古車市場を移動の再配分の場として見るのか、それとも「鉱物資源の供給源」として位置づけるのかという判断を迫られている。

 輸入依存のレアアースなどを国内で循環させる制度の構築は、国家戦略の観点から避けられない課題だ。流通量と資源含有量を掛け合わせれば、中古HVが持つ経済的価値は、まだ普及途上にある中古EVを大きく上回る。それにもかかわらず、リサイクル議論はEVに偏っており、市場の実態や回収効率を十分に反映しているとはいえない。

 国内にはHVの分解や再資源化に関する技術がすでに確立されている。この強みを活かさない手はない。今後の10年間の戦略は、新車EVの普及だけに焦点を当てるのではなく、圧倒的な量を誇る中古HVを中心に据えた資源循環の形を確立することに置かれるべきだ。

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