「中古EV」ブームの裏で進む資源流出――実は「中古ハイブリッド車」こそが日本の守るべき“宝の山”だった?
中古EVへの関心が高まる一方、国内に滞留する中古HVは年間200万台規模の資源庫だ。レアアースやモーター部品を国内循環させる仕組み構築が、資源確保と産業戦略のカギとなる。
中古車の国内資源化の欠如

これまでの自動車政策や報道の多くは、EVシフトを前提に新車の普及促進を中心に据えてきた。その結果、国内にすでに蓄積された膨大な中古車を、資源として有効活用する視点が不足している。輸出される中古車の需要は増え続け、2025年の輸出台数は2024年の約157万台を上回る勢いで推移している。
海外での需要拡大や中古車価格の上昇に加え、円安の影響も重なり、国内で再利用するよりも国外へ売却する方が経済的に有利な状況が生まれている。この構造は、希少資源を自ら手放し、将来的な原材料の調達コストを押し上げるリスクを含んでいる。
HVにはレアアースやニッケル、リチウム、コバルトといった輸入依存度の高い鉱物が含まれる。しかし現状では、モーターなどの部材を回収し、再資源化する前提の仕組みや制度は整っていない。新車を販売するだけで完結するモデルから脱し、中古車の国内循環を持続可能な形で仕組み化する必要がある。