「環境性能割廃止」で本当に喜べるか? 取得減税の裏で進む「EV・PHV狙い撃ち」増税の既定路線

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2026年度の自動車税制が固まった。取得時の環境性能割とガソリン暫定税率は廃止される一方、保有課税の扱いは先送りされ、EV・PHVは事実上増税が決定。長年の業界要望の実現と将来の増税リスクが同時に浮上した。

自動車税環境性能割廃止の舞台裏

ドナルド・トランプ米大統領(画像:EPA=時事)
ドナルド・トランプ米大統領(画像:EPA=時事)

 自動車税環境性能割廃止の経緯を追ってみよう。

 実は当初、自動車税環境性能割は「2年間停止」という方向で自民党案もまとまり、一部報道にも「2年間停止となる見込み」と流れていた。ところが国民民主党との交渉のなかで、「178万円の壁」について自民党案を国民民主党が受け入れる代わりに「自動車税環境性能割を(2年間停止ではなく)廃止する」ことで両党が合意。急転直下、環境性能割は廃止されることになった。

 ただし、大綱の書きぶりには微妙なニュアンスが含まれている。

「自動車税及び軽自動車税の環境性能割については、米国関税措置がわが国の自動車産業に及ぼす影響を緩和し、国内自動車市場の活性化を速やかに図るとともに、自動車ユーザーの取得時における負担を軽減、簡素化するため、令和8年3月31 日をもって廃止する。地方税の減収分については、安定財源を確保するための具体的な方策を検討し、それまでの間、国の責任で手当する」

平たくいえば、

「トランプ関税で苦しんでいるから環境性能割を廃止するが、減収分はそのうち取り返す。それまでは国が補填する」

ということだ。将来的な増税を示唆する文言が書き込まれている。

 保有課税でも動きがあった。自動車重量税のエコカー減税について、燃費基準達成度合いが

・100 → 105%
・90 → 95%

と厳しくなった。エコカー減税の適用を受けるには、より高い燃費基準をクリアしなければならなくなったのだ。

 さらに2028年度以後、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)については重量に応じて一定の負担を求めることが明記された(詳細は2026年の大綱で決定)。

 こうした将来的な増税路線が既定路線として織り込まれている状況であり、自動車ユーザーにとって手放しで喜べる内容とはいえない。むしろ「環境性能割2年停止」だけでは戦果に乏しいため、自動車業界に近い国会議員が

「国民民主党との交渉の過程でこうなった」

ことを口実にして廃止に持ち込んだのではないか、と勘ぐりたくもなる。

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