「300kmで十分だ」トヨタがタイで挑む執念の防衛戦――中国EVの猛攻に“聖域”ピックアップは耐えられるか?

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トヨタはタイで新型「ハイラックス」を世界初公開し、年末からBEV生産を開始。販売シェア約40%のピックアップ市場で、中国EV勢の攻勢を防ぐ決定的防波堤として戦略を打ち出す。

1トンピックアップ市場の砦

BYD SHARK 6(画像:BYD)
BYD SHARK 6(画像:BYD)

 タイの自動車市場において、全体の販売約40%を占めるピックアップトラック市場は、長らく日本メーカーが支配してきた聖域である。しかし、比亜迪(BYD)などの中国メーカーが乗用車市場を席巻した勢いのまま、ピックアップ市場への攻勢を強めたことで、その牙城が揺らいでいる。

 日本では2~3%といわれるEV普及率だが、タイではすでに12~13%を数えるまでになった。この背景には、先行して市場を切り崩した中国メーカーの台頭がある。

 BYDの「SHARK」をはじめとする電動ピックアップの足音が聞こえる中、トヨタには強い危機感がある。都市部の先進層が最新のIT機能を備えた中国製EVに惹かれる一方で、地方の実用層にとって車両の故障は即座に生活の破綻を意味する。

 トヨタは、長年培ってきた「壊れない」という圧倒的な信頼を維持しつつ、BEVの選択肢を先んじて提示することで、顧客の他社流出を何としても阻止しなければならない。

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