「使わないのに手放せない」──休眠車5.6%が映す、日本の“所有疲れ”という病
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車保有者調査で5.6%が「休眠車」を抱え、2年以上放置は17.6%に達した。売りたいのに手放せない背景には、煩雑な制度と高い手間がある。所有の出口改革が、家計と市場、産業構造を動かす。
制度疲労としての休眠車問題

休眠車は、個人の管理が不十分だった結果とはいえない。日本の自動車制度が長い時間をかけて抱えてきた問題が、表に出てきた状態だ。
・廃車
・抹消登録
・名義変更
の手続きは複雑である。今も対面での対応や紙の書類を前提とした手続きが多く残っている。
税制や登録事務、業界の慣行は別々に運用されている。そのため、生活環境が変わり車を手放そうとしても、事務の負担と時間の負担が大きい。こうした負荷が、所有者の判断を遅らせている。
行動経済学では、人は将来の得よりも、目の前の手間を避けやすいとされる。現在の制度は、この特性を考慮していない。むしろ、車をやめる行為に余計な手間を生んでいる。本来は資産の整理を支える制度が、その出口を狭めている。その結果、使われない車が処理できず、負担として残っている。