トヨタEV「bZ4X」10月だけで1100台販売! なぜ日系メーカーは「EV移行」で遅れを取るのか?――欧州市場で迫る淘汰リスクを考える
欧州ではEV比率が16%から50%前後へ急伸し、HVやPHVは例外的に残る見通しだ。規制強化と中国勢の台頭に対応しつつ、メーカーはEV大量生産と柔軟な生産ミックスで生き残りをかけた競争に挑む。
中国勢の市場拡大

一部では「HV需要が堅調だからHV中心でよい」という誤解が広まっている。しかしHV需要は短期的な制度緩和に左右されやすく、2030年代のCO2規制はHV継続を前提としていない。ディーゼル車やガソリン車と同様に、HVも淘汰の運命を辿ることになる。
「EV普及が遅い地域があるので急ぐ必要はない」との見解も、市場構造の理解が不足している。EV生産投資の回収期間を考えると、生産ラインの早期構築が不可欠で、遅れればコスト差で競争に敗れるリスクが高まる。
中国市場のEV需要増加を一時的と見るのも誤解だ。欧州市場での中国勢のシェアは直近5年間で8%に達している。低価格帯での支配力は強く、制度緩和では抑えきれない勢いで拡大している。
行政に対しては、CO2規制の原単位を維持しつつ、地域ごとのインフラ格差に応じた段階的な充電網整備が求められる。また、EVとHVの税制は市場の移行速度に応じて見直す必要がある。
メーカーには、HV依存度を計画的に下げ、EV比率を引き上げる中期KPI(重要業績評価指標)の設定が求められる。バッテリー供給網の国内外二重化やソフト開発体制の整備も急務だ。
事業者の立場では、生産ラインを可変型に作り直し、HV・PHV・EVに柔軟に対応できる混流ラインを構築することが望ましい。これにより政策変動時の需給変動への耐性を高めることが可能となるだろう。