トヨタEV「bZ4X」10月だけで1100台販売! なぜ日系メーカーは「EV移行」で遅れを取るのか?――欧州市場で迫る淘汰リスクを考える

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欧州ではEV比率が16%から50%前後へ急伸し、HVやPHVは例外的に残る見通しだ。規制強化と中国勢の台頭に対応しつつ、メーカーはEV大量生産と柔軟な生産ミックスで生き残りをかけた競争に挑む。

欧州規制の後押し

IAA2025で演説するドイツ・メルツ首相(画像:IAA2025)
IAA2025で演説するドイツ・メルツ首相(画像:IAA2025)

 EV需要が不安定で混沌とするなか、自動車メーカーの勝敗は

「HV依存からEV最適比率への移行速度」

を制度・市場・技術の三方向で整合させられるかにかかっている。

 トヨタはマルチパスウェイ戦略によりHVの量産力で優位に立つ。しかし、EVを計画的に増やせるかが今後の競争力の核心となる。最終的な覇者は、EVを大量生産できるだけでなく、政策が頻繁に変動する状況下でも利益を維持できる

「マルチパワートレイン適応型の生産体系」

を構築した企業となるだろう。

 欧州では2035年を期限とする環境規制がEV普及を後押ししている。一部で例外措置が認められるものの、規制は強化方向で固定されつつある。欧州メーカーはEV先行投資により利益率が抑えられるが、HVやPHVを残存させることで収益バランスを補填している。日本メーカーはHVを収益の柱とするが、その構造がEV投資の遅れを招く要因ともなっている。

 EVの普及にはバッテリー供給網やソフトウェア統合の難度が大きく影響する。HV量産で得た知見はEVに生かせず、効率は低下する。バッテリーや制御OSを持たないメーカーは、高出力領域で不利な立場に追い込まれる可能性が高い。

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