東京周辺のバス運転手、ぶっちゃけ「最適な年収」はいくらなのか?――500万円? 公共交通の給与改革を考える

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東京圏で深刻化するバスドライバー不足は、平均年収420万~460万円にとどまる待遇構造が背景にある。離職は中堅層に集中し、物流業界への流出も進む。最低500万、中央値750万、最高1000万円という報酬水準の再設計が、公共交通の持続性を左右しつつある。

あるべき年収に近づく方法

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 長く働く前提で、最低500万円、中央750万円、最高1000万円の水準が確保されれば、大型二種免許の価値や重労働への適正な評価につながると考える。この水準設定は、一般的な年収と生活水準の関係を前提にしている。

 この姿に近づけるには、

「税投入による給与の底上げ」

がひとつの選択肢になる。公共サービスとしての役割を踏まえ、合意形成が可能であれば交通税として目的税化する方法もあり得る。高速バスや観光貸切バスといった収益路線に既存ドライバーを優先的に割り当て、路線バスには

「時間限定ドライバー」

の採用を税で支援し、事業全体の収益性を高める案も考えられる。

 利用者が少ない路線では、

・3ナンバーや5ナンバー車の活用
・専任ドライバー雇用を税制で後押しすること

で、全体最適を図る手法もある。さらに、高齢者の運転免許返納を部分的に義務化し、路線バスの負荷を軽減する方法も議論の余地がある。自動運転支援の導入やバス利用増による業界全体の効率化も選択肢となる。オンデマンド方式や連節バスの導入を公的に支援し、運転者を増やさずに供給力を確保する施策も現実的だ。

 年収改善と勤務条件の向上は、政策と企業戦略を組み合わせて設計する必要がある。まずはこれらの政策的選択肢を整理し、現実的な視点で効果と効率を見極めながら選ぶことが重要となる。

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