「京都縦貫道」全通10年の功罪! 経済効果2.3兆円も、医療・地域が抱える影の現実とは
京都縦貫道は全線開通10年で累計利用約2億台、経済波及効果約2.3兆円を生んだ。物流3.1倍増、工場534件増と地域経済に大きな影響を与えた一方、府外資本の進出や医療空洞化など課題も顕在化している。
利益確保の課題

京都縦貫道はこれまで、約1.2兆円の経済波及効果を生んできた。しかし、支出も大きく、収入の大半は建設費や事業費に充てられている。京都縦貫道に限らず、日本の高速道路は他の先進国より建設費が高くなる傾向があり、高速道路事業の課題のひとつとなっている。
京都縦貫道で最後に開通した京丹波わちIC~丹波ICの18.9km区間には、開通までに約2100億円が投じられた。法律上は京都縦貫道として運用されている。久御山IC~沓掛ICの15.7km区間の2018年の総収入・総支出を見ると、総収入は約7496億円、総支出は約6631億円であり、利益は1000億円に満たない。
これでは、これまでの建設費や今後の維持・管理費をまかなうのは容易ではない。支出を抑えつつ、利益をどのように確保するかは今後の検討課題である。
2025年には約1.3兆円の地方創生交付金が投入された。京都府のある市では約860万円の交付金が与えられ、新たな観光イベントやスタンプラリーを実施した。しかし、交付金を無理に使う政策となってしまった側面もある。
地方創生が大きな政策目標として掲げられるなかで、京都縦貫道にも十分な役割が期待される。今後は、インフラ整備が地域にしっかり還元され、長く残る施策を作ることが求められる。