「京都縦貫道」全通10年の功罪! 経済効果2.3兆円も、医療・地域が抱える影の現実とは
京都縦貫道は全線開通10年で累計利用約2億台、経済波及効果約2.3兆円を生んだ。物流3.1倍増、工場534件増と地域経済に大きな影響を与えた一方、府外資本の進出や医療空洞化など課題も顕在化している。
救命率向上の恩恵

京都府で最も人口が多いのは京都市である。政令指定都市として人口は約143万人に達する。次に多いのは京都市の南部に位置する宇治市で約17万人であり、他の市町村は10万人を下回る。中心地と他地域の都市規模の差は、全国でも最大級である。
このため、京都市への一極集中が課題となっている。医療施設も圧倒的に京都市に集まっており、府北部では緊急を要する救急搬送に時間がかかることがあった。しかし京都縦貫道の開通により搬送時間が短縮され、救急患者の救命率向上につながっている。
一方で、医療分野でもアクセス向上による課題がある。他地域から京都市へのアクセスが便利になったことで、地域の医療施設の利用が減り、衰退を招く可能性がある。特に北部地域の医療空洞化は懸念される問題だ。
救命率の向上は生活インフラの重要な指標である。しかしその陰で、地域医療のあり方や持続可能性にも目を向ける必要がある。アクセス改善だけでは、地域医療の均衡は保てないのである。