「京都縦貫道」全通10年の功罪! 経済効果2.3兆円も、医療・地域が抱える影の現実とは
京都縦貫道は全線開通10年で累計利用約2億台、経済波及効果約2.3兆円を生んだ。物流3.1倍増、工場534件増と地域経済に大きな影響を与えた一方、府外資本の進出や医療空洞化など課題も顕在化している。
京都通過地から終着地への変化

京都府は、政令指定都市である京都市を中心に、大阪府や兵庫県とともに関西圏という大都市圏を形成している。しかし、高速道路では主要路線である名神高速道路を含め、京都は都市間をつなぐ通過地という印象が強かった。
その状況を変えたのが、南北に長い京都府を縦断する京都縦貫自動車道(京都縦貫道)だ。2015(平成27)年7月に全線開通し、2025年で開通10周年を迎える。京都縦貫道は、京都府宮津市の宮津天橋立インターチェンジ(IC)を起点に、京都府大山崎町の大山崎ジャンクション(JCT)を終点とする総距離93.2kmの路線である。法律上は、京滋バイパスとして並行する大山崎JCT~久御山ICも含まれる。ICやJCTの所在地が全て京都府内という点で、まさに「京都府のための道路」といえる。
京都縦貫道の開通は、所要時間の短縮という明確な効果を生んだ。京都府南部の久御山町から北部の宮津市までの所要時間は、約120分短縮された。この時間短縮は、沿線の
・産業
・観光
・医療
の分野に変化をもたらした。開通から10年で、
・累計利用台数:約2億台
・累計経済波及効果:約2.3兆円
に達する。しかし、数字の大きさ以上に注目すべき点がある。京都縦貫道により、京都府は都市間の通過地から、終着点や経由地としての存在感を高めた。そこには、京都独自の潜在力が秘められている。