三菱自、5年ぶり「英国市場」に復帰! いったいなぜ? 売上回復だけでは語れない“真の狙い”を考える

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三菱自動車が約5年ぶりに英国市場へ復帰する。2035年のZEV規制を控え、PHV技術を軸にSUVを投入し、年3万台規模の販売でASEAN依存から収益を分散する戦略だろう。

英国市場復帰の戦略

アウトランダー(画像:三菱自動車、インターナショナル・モーターズ)
アウトランダー(画像:三菱自動車、インターナショナル・モーターズ)

 2025年11月26日、英国の大手輸入販売会社インターナショナル・モーターズが、三菱自動車の新型車を2026年夏から英国市場に導入すると報じられた。

 三菱自は2021年、“選択と集中”の戦略に沿った構造改革の一環として英国市場から撤退している。当時は欧州市場向けの新型車開発を凍結し、重点市場である東南アジア諸国連合(ASEAN)地域に資源を集中させていた。撤退の背景には、ブレグジット直後の英国市場の不透明感と、コロナ禍による販売不振があった。

 撤退後、三菱自の英国法人はアフターセールス専業の事業体に移行した。このアフターセールス体制を維持したことは、既存の三菱車ユーザーが途切れることなくカスタマーケアを受けられるようにする顧客体験の継続という役割に留まらない。

 これは、将来の市場再参入を見越した戦略的休眠として、ブランドイメージの希釈化を防ぎ、100以上のアフターサービス拠点に加え、販売と顧客サービスを担う専門店との制度的・人的インフラを温存する狙いがあった。このため、新型車の販売再開は、ゼロから販売網を構築する場合に比べ、市場投入までの期間を大幅に短縮できる見通しであり、迅速に進められる。

 本稿では、三菱自が英国市場に約5年ぶりに復帰する背景を探るとともに、再販の狙いと戦略を考察する。

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