三菱自、5年ぶり「英国市場」に復帰! いったいなぜ? 売上回復だけでは語れない“真の狙い”を考える

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三菱自動車が約5年ぶりに英国市場へ復帰する。2035年のZEV規制を控え、PHV技術を軸にSUVを投入し、年3万台規模の販売でASEAN依存から収益を分散する戦略だろう。

収益多角化の必要性

三菱自のロゴ(画像:EPA=時事)
三菱自のロゴ(画像:EPA=時事)

 三菱自の英国市場復帰を、景気回復による再参入と解釈する見方がある。しかしこれは、ブレグジットによる制度的損失6%~8%を無視した単純化しているだろう。英国ではZEV規制により自動車メーカーにリスクが転嫁されており、参入側の負担はむしろ重い状況にある。

 また、英国で三菱ブランドの人気が根強いという見解もある。しかし実際には、ASEAN依存度が高まるなかで、経済変動や地政学的なリスクも内包する特定地域への依存を是正し、経営リスクを分散する必要性が復帰の核心要因である。

 ポンド高・円安を追い風とする論調も見られるが、為替に依存すると企業リスクは増す。輸出採算改善は一時的な利益に過ぎず、ポンド高・円安が反転した場合には、販売価格の競争力維持が困難になるという構造的な課題が浮き彫りになる可能性がある。

 英国でPHV人気が高いことが復帰の決め手という単純な構図ではない。欧州向けの開発を凍結してきた三菱自にとって、自社単独では規制対応が困難であり、電動化比率を外部リソースで補うアライアンスを活用した供給構造が復帰の背景にあることは明らかだ。

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