クルマの上にある「背びれ」みたいのは何か? 見慣れた光景の裏に潜む最新技術とは
車載アンテナ市場は2033年までに1兆3399億円規模へ拡大が予測される。多機能化と自動運転対応で進化するサメ型アンテナは、デザイン性と通信性能を両立しつつ、コストや小型化という新たな課題に直面している。
時代と共に進化を遂げたアンテナ

自動車に装備されるアンテナの歴史は古い。ラジオが車に搭載され始めた時期とほぼ同じである。日本では1955年に登場した初代トヨペット・クラウンに、真空管式ラジオとアンテナが装備されていた。初期のアンテナは金属棒を釣り竿のように伸ばして使うロッドアンテナが主流だった。1970年代には、スプリング入りで伸縮するオートアンテナも登場した。
ロッド式アンテナにはデメリットもあった。走行中の風でしなり、スムーズに伸縮できないことや、駐車場で引っ掛けて折れることがあった。しかし受信感度が高く、低コストという点で長く自動車に採用され続けた。現在でもコスト重視の商用バンやトラックには搭載されているが、乗用車ではほとんど見かけなくなった。
アンテナが消えたわけではない。シャークフィン型(サメ型)のアンテナが急速に普及したためだ。では、なぜサメ型アンテナがここまで普及したのか。本稿ではその背景を探る。