クルマの上にある「背びれ」みたいのは何か? 見慣れた光景の裏に潜む最新技術とは

キーワード :
,
車載アンテナ市場は2033年までに1兆3399億円規模へ拡大が予測される。多機能化と自動運転対応で進化するサメ型アンテナは、デザイン性と通信性能を両立しつつ、コストや小型化という新たな課題に直面している。

将来性は明るいが油断は禁物

5G通信対応のガラスアンテナも登場(画像:AGC)
5G通信対応のガラスアンテナも登場(画像:AGC)

 Straits Researchによると、車載アンテナの世界市場は2033年まで年平均6.3%で成長し、約1兆3399億円に達すると予測されている。順調に伸びるように見えるが、Business Research INSIGHTSは「接続性と通信の改善が市場の成長を促す」と指摘する。多機能化する自動車の通信に対応するため、さらなる性能向上が求められているのだ。デザインや空気抵抗の観点から、小型化を望む声も上がっている。

 一方で、サメ型アンテナの競合としてガラスアンテナも注目されている。ガラスアンテナはガラスに埋め込まれるため外観に影響を与えず、突起がないため空気抵抗も発生しない。さらに5GやV2X(車車間通信)など高度通信への対応も可能である。ただし、自動車ガラスには紫外線カットや熱制御、安全基準など多くの制約があるため、高性能アンテナとの両立は技術的に容易ではない。

 自動車には多くの技術が詰め込まれ、アンテナは重要なパーツの一つとなりつつある。先進運転支援や自動運転技術を支える「通信」の要だからだ。サメ型アンテナはデザイン性と機能性で信頼を得ているが、最近では透過率80%超の「透明アンテナ」の開発も進む。将来的には外から見えないアンテナが普及する可能性もある。

 サメ型アンテナが今後も普及し続けるには、通信性能の向上やさらなる小型化が不可欠となるだろう。既存技術に頼るだけでは、新たなアンテナ技術に置き換えられる可能性もあるのだ。

全てのコメントを見る