EV「駆け込み需要」で爆売れする? BYD・Teslaなどの販売減速が示す実態とは

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2025年10月の世界EV販売は178.3万台、前年同月比10.5%増と堅調を維持する一方、テスラの減少や中国メーカーの伸び鈍化が鮮明となった。2026年の税制縮小を前に、市場は駆け込みではなく地域ごとの小規模な振れにとどまる見通しだ。

所得階層で割れる購買行動

 税制変更を販売増の起爆剤とみなすことは難しい。背景には、価格弾力性の変化、所得階層ごとの購買行動の違い、そして供給制約という三つの要因がある。

 まず、価格弾力性が低下している。低価格帯EVの拡大で値引き待ちが常態化し、消費者は一時的な優遇縮小に敏感に反応しなくなった。市場の心理構造は、補助金縮小による損失よりも、値引き拡大による利益のほうが強く作用する。メーカーも補助金縮小分を一部吸収する可能性が高く、実質価格は急に上がりにくい。

 次に、所得階層による購買行動の分離が進んでいる。中間層以上のEVユーザーは、充電環境や維持費、安全性といった総コストで判断するため、補助金だけで購買時期を左右されない。一方、低所得層向けのAセグメントEVは価格に敏感だが、そもそもの購買余力が小さく、急な駆け込みを生むほどの潜在需要が存在しない。駆け込みを下支えする広い中間層が形成されていない。

 さらに、供給サイドにも制約がある。2025年後半の欧米ではバッテリー工場の稼働率が調整局面に入り、中国では輸出を優先する動きが強まる。中国外市場では物流費の上昇が続き、年末に向けて出荷を積み上げる余力がサプライチェーンに残されていない。供給側がアクセルを踏めなければ、駆け込み需要が数値として表れることはない。

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