新潟のローカル線、特急廃止で「営業収益9割減」……内部留保80億円で挑む投資戦略とは
投資事業の利益でカバーできなければ内部留保の延命措置

第41期の損益計算書(1万円未満四捨五入)を見ると、鉄道事業の営業収益は5億104万円で、営業費は13億5308万円だった。その結果、営業損失は8億5204万円となる。
一方、営業外収益は2億5401万円、営業外費用は1億6026万円で、差し引き約9000万円の利益が出ている。営業外収益の大部分は有価証券の利息(配当)で、2億2040万円に上る。その他、営業外収益には有価証券売却益1675万円、営業外費用には有価証券売却損1424万円が計上され、株の売買では差し引き約250万円の利益を出している。
ただし、この数字は配当に比べるとわずかであり、貸借対照表に記載されている有価証券と投資有価証券の金額差とほぼ一致している。
その結果、第41期の損益計算書では、営業外収益・営業外費用に特別利益(補助金)1億3084万円、特別損失(減損損失)1億4786万円を加味した税引前当期純損失は8億1909万円となった。
公式サイトで公開されている第34期から第41期までの決算を見ると、鉄道事業の営業損失は7億円台から9億円台で推移している。一方、投資による利益に相当する営業外収益・営業外費用の差額は、第41期で約9000万円、第40期で約3億9000万円と変動が大きい。いずれにしても、投資による利益は鉄道事業の営業損失をカバーするには届かず、毎年約2億円から約8億円の純損失を出している。
現在約80億円とされるはくたかで蓄えた内部留保は、もし毎年8億円の純損失を出し続けるなら10年で枯渇する。毎年2億円に抑えた場合でも、40年で枯渇する計算になる。
最悪、内部留保が10年しか持たないのであれば、投資事業が
「延命措置」
と呼ばれるのも無理はない。しかし、もしこれが40年続くとすれば、その間に打てる策は存在する。純損失を毎年2億円程度に抑えることは楽観的すぎるとしても、今後20年程度で投資事業の体質を変えることは可能ではないか。