新潟のローカル線、特急廃止で「営業収益9割減」……内部留保80億円で挑む投資戦略とは
北越急行は、特急「はくたか」廃止で営業収益の約9割を失い、現在約80億円の内部留保を切り崩して経営を維持する。鉄道事業の赤字を補う投資事業は年間数千万円規模にとどまり、持続可能性の正念場を迎えている。
内部留保80億円超と固定資産投資有価証券60億円超の状況

北越急行は公式サイトで、第34期(2017年4月1日~2018年3月31日)以降の毎年度決算公告を公開している(2025年11月18日現在)。
最新の第41期(2024年4月1日~2025年3月31日)の貸借対照表を見ると、純資産は資本金45億6800万円、利益剰余金33億9388万円、有価証券評価差額金1億4202万円を合計して81億389万円だった。この金額が、いわゆる内部留保、はくたか時代に蓄えた資産にあたる。
一方、第34期の純資産は115億1170万円だった。8年間で
「約34億円減少」
した計算になる。内部留保はピーク時に130億円を超えていたとの報道もあり、これまでに約50億円を取り崩したという数字と概ね符合する。
第41期の貸借対照表では、流動資産に有価証券7億370万円、固定資産に投資有価証券62億6336万円が記載されている。流動資産の有価証券は短期的な売買を想定したもので、投資有価証券は長期保有を前提としている。北越急行の投資は、短期的な株の売買などの投機ではなく、比較的堅実な投資が中心であることがうかがえる。