EV減速で浮上した「エンジン残り」――サプライヤーはどこで稼ぐのか【連載】自動車部品業界ウォッチ(2)

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急速なEVシフトの揺れ戻しでHVが再評価されるなか、国内外のエンジン部品サプライヤーは市場変動に対応した戦略を模索する。残存者利益を狙い、トヨタとの連携や事業譲渡を活用する動きが鮮明化している。

自動車メーカー依存の現実

トヨタ自動車(画像:AFP=時事)
トヨタ自動車(画像:AFP=時事)

 国内サプライヤーのなかには厳しい状況に置かれている企業も少なくない。日産系のメガサプライヤー、マレリ(旧カルソニックカンセイ)は、早くからEVシフトに取り組んできた。これはEVを積極的に展開する日産の方針に沿った動きであった。

 しかし、EV市場の伸び悩みや日産の営業不振、コロナ禍の減産などが重なり、現在は民事再生法の下で再建を進めている。河西工業やユニプレスといった他の日産系サプライヤーも同様に苦境に立たされ、自動車メーカーの事業方針や販売実績がサプライヤー経営に直結する現実が浮き彫りになっている。

 エンジン部品で「残存者利益」を狙う動きも存在する。だが国内で実際に利益を確保するには、トヨタとの関係をどれだけ強化できるかが重要なポイントになるだろう。トヨタのエンジン戦略とシナジーを生むことができれば、他社が撤退する領域で安定した事業基盤を確保できる。国内市場の構造上、特定メーカーとの連携は利益を左右する決定的な要素であり、事業拡大だけでは不十分だ。

 また、サプライヤーに求められるのはエンジン事業の拡大だけでなく、将来の製品ポートフォリオを見据えた柔軟な戦略である。国内市場の安定性はトヨタとの関係に依存する一方で、海外市場や新興国の需要動向にも目を向けることで、リスク分散と成長余地を同時に追求できる。こうした多面的な戦略判断が、エンジン残存利益を実際の収益に結びつけるカギとなるだろう。

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