EV減速で浮上した「エンジン残り」――サプライヤーはどこで稼ぐのか【連載】自動車部品業界ウォッチ(2)

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急速なEVシフトの揺れ戻しでHVが再評価されるなか、国内外のエンジン部品サプライヤーは市場変動に対応した戦略を模索する。残存者利益を狙い、トヨタとの連携や事業譲渡を活用する動きが鮮明化している。

変調する欧州勢とサプライヤーの苦境

愛三工業のウェブサイト(画像:愛三工業)
愛三工業のウェブサイト(画像:愛三工業)

 EVシフトの減速とHVの再評価が進み、エンジン車は当面存続する見通しだ。ただしサプライヤーがこの変動期を乗り切るには、自動車メーカーの戦略との連動が不可欠になる。国内ではトヨタがその方向性を握っており、HVを軸に据えた製品戦略が、国内サプライヤーに明確な事業指針を提供している。

 トヨタはEV投入に慎重である一方、HVは同社の技術的強みとして世界に展開されている。エンジンは通常のハイブリッドでもプラグインハイブリッドでも欠かせない構成要素だ。トヨタはエンジン関連サプライヤーを集めて“決起集会”を開き、エンジンが主力である体制が続くことを明示した。この方針により、国内サプライヤーはエンジン事業の強化に動きやすい環境が整っている。

 一方、欧州では状況が異なる。政府主導のEV政策に従い、現地メーカーはここ数年でEV投入を加速させてきた。その結果、エンジン関連事業の縮小が進み、サプライヤーは急速な戦略転換を余儀なくされている。足元ではHVの需要が復活しつつあるものの、急激な方針変更が求められ、欧州サプライヤーは不安定な市場環境に翻弄されている。独大手ボッシュは2025年9月、自動車関連事業で1万3000人の人員削減を発表し、経営環境の厳しさを示した。

 こうした欧州勢の苦境は、生産縮小の問題にとどまらず、サプライヤー間の競争構造や部品調達戦略に影響を及ぼしている。変動する政策と市場のなかで、サプライヤーは自社の事業ポジションを再評価せざるを得ず、国内とは異なる競争条件に直面していることが明確になっている。

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