EV減速で浮上した「エンジン残り」――サプライヤーはどこで稼ぐのか【連載】自動車部品業界ウォッチ(2)
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急速なEVシフトの揺れ戻しでHVが再評価されるなか、国内外のエンジン部品サプライヤーは市場変動に対応した戦略を模索する。残存者利益を狙い、トヨタとの連携や事業譲渡を活用する動きが鮮明化している。
事業譲渡が生む新たな競争軸

エンジン関連部品は数万点に及び、大手から中小まで多様なサプライヤーが関わる巨大な産業領域だ。かつてはエンジン事業の縮小が見込まれ、多くのサプライヤーが撤退や縮小を検討した。しかしその一方で、事業を引き継ぎ拡大する企業が徐々に現れ、市場構造の変化に対応する動きが進んでいる。
日本特殊陶業はスパークプラグで世界シェアトップを握るだけでなく、各種センサーも手がける大手サプライヤーである。同社は2025年9月、デンソーとスパークプラグおよび排気センサー事業の譲渡契約を締結した。
この結果、スパークプラグの世界シェアは6割に達し、事業基盤の強化につながる見通しだ。譲渡により取得した製品群は、既存技術との統合や生産効率向上に活用されるとみられ、サプライヤー間の競争優位性を高める契機となる。
またデンソーは、トヨタグループの愛三工業に燃料関連部品事業を移管している。2022年の譲渡により、愛三工業の燃料ポンプは世界シェア4割を占め、トップメーカーに躍り出た。売上高も2021年ごろから倍増し、譲渡による事業強化の成果が明確に現れている。さらに同社は、2030年時点でも世界のエンジン車が7割を超えるとの見通しを踏まえ、エンジン関連事業の拡大を継続している。
こうした事業譲渡は、事業規模を増やすだけでなく、技術・製品ラインの最適化や市場シェア拡大の戦略的手段として機能している。国内サプライヤーにとって、譲渡を通じた競争軸の再構築は、変動する市場環境での生き残り戦略として重要性を増している。