EV減速で浮上した「エンジン残り」――サプライヤーはどこで稼ぐのか【連載】自動車部品業界ウォッチ(2)
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急速なEVシフトの揺れ戻しでHVが再評価されるなか、国内外のエンジン部品サプライヤーは市場変動に対応した戦略を模索する。残存者利益を狙い、トヨタとの連携や事業譲渡を活用する動きが鮮明化している。
浮上する残存者利益戦略

2022年ごろ、EVシフトが鮮明になると、10年もすればエンジン車が姿を消し、車の大半がEVに置き換わると予想されていた。欧州を中心に各国政府も政策を調整し、2030~2040年の間にエンジン車禁止を打ち出す方針を示していた。
しかし2024年になると状況は変化する。EV市場は伸び悩み、ハイブリッド車(HV)が改めて評価される流れが強まった。短期間でEV一本化を進める構想は現実的でないことが明確になりつつある。
こうした環境下で、一部のエンジン部品サプライヤーはEVに傾注するのではなく、エンジン関連事業の強化を選択した。競合がエンジン事業から離れれば、その分だけ残った需要に応える余地が広がり、利益の確保につながる。
HVの需要が広く残る以上、エンジン関連の市場は依然として存在感を保つ。さらに、先進国でEV化が進んでも、新興国市場ではエンジン車が当面主流であり、長期的に安定した収益機会が残る。
この残存者利益(生き残った企業や事業が享受できる利益)を見据えた戦略は、技術力や製品ラインの強化を通じて、競争力を高める方向で展開されている。国内大手サプライヤーのなかでは、数年前からこうした動きが具体化し、将来的な市場変化に備えるための基盤整備が進められている。