ANAとJALが「推し活」対決? 市場規模3.5兆円、アイドル・アニメの“遠征”需要で地域経済に新風か
推し活人口は1384万人、年間支出は1人平均25万円、国内市場は約3.5兆円規模に達する。ANAやJALはリアル・バーチャルの推し体験を軸に、地方誘客や周辺サービスを巻き込み、新たな航空収益モデルを模索している。
推し活遠征における航空と高速バスの競合

推し活の遠征需要に限らず、ANAやJALなど航空会社は、さまざまな需要を掘り起こし、ディスティネーションの活性化に取り組んできた。この動きは鉄道会社やバス会社など他の交通機関にも共通している。
ただ、首都圏や近畿圏といった大都市圏から離れた地方自治体にとって、航空会社は訪問者を一足飛びで運んでくれる心強い存在である。航空路線の誘致と来訪者の誘致はほぼ同義であり、各自治体は航空会社への協力を惜しまない。
一方、ANAやJALに限らず、航空各社も自治体の要請に応えてきた。特にANAは、傘下のANAあきんどを通じ、誘客を目的としたツアーだけでなく、特産品の販売など多方面に事業を広げている。
今回のANAとJALによる推し活企画は、こうしたディスティネーション活性化策の一環にすぎない。しかし、従来型の観光客誘致では掘り起こせなかった需要を新たに創出する可能性を秘めている。今後は、推し活需要を狙い、各自治体や航空各社が争奪戦を繰り広げるかもしれない。
むしろ注目すべきは、推し活の主たる遠征手段となってきた高速バスとの競合である。その安さとフレキシブルさを前に、航空各社はどこまで需要を奪えるかが焦点となるだろう。