伊豆大島、三宅島、八丈島……「伊豆七島」なのに、なぜ実際は「九つ」あるのか?
東京に属する伊豆諸島・小笠原諸島は、首都圏から数百キロ離れた離島群だ。物流や定期航路、航空路線で東京と結ばれ、行政や経済活動を支える一方、島の数や名称は歴史と現実の隔たりを映す。
東京都の広域管轄

東京は非常に大きな自治体だ。本州から1800km離れた日本最東端の南鳥島や、最南端の沖ノ鳥島まで、行政上は東京都に含まれている。もちろんこれは極端な例だが、東京湾から定期航路のある伊豆諸島や小笠原諸島も東京都の管轄下にある。
これらの島々は首都圏とは物理的に隔たっているにもかかわらず、行政サービスや物流、交通のネットワークで東京とつながっている。離島への
・物資輸送
・定期航路
・航空路線
の維持は、島民の日常生活を支えるだけでなく、東京という広域自治体の統治を実効的にする手段になっている。
伊豆諸島と小笠原諸島は、衆議院選挙で東京都第3区に割り振られている。この選挙区には品川区の一部と島しょ部全域が含まれ、南北に非常に長く、日本で最も広大な選挙区のひとつとなっている。
開票はそれぞれの町村単位で行われるが、伊豆諸島の新島村は式根島と新島のふたつの島で構成されており、式根島からの投票箱は村営船などで運ばれる。そのため、台風などの悪天候で投票日や時間が変更されることもある。こうした状況は、物理的な距離や気象条件が行政運営に直接影響する例であり、東京という都市の広域性と離島を含む行政ネットワークの複雑さを示している。