「何のための特区民泊や!」 “中国人街”化する大阪・西成――インバウンド急増で崩れる住民の日常生活とは

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大阪市は全国の9割以上が集中する特区民泊の新規受付停止を決めた。しかし、西成区は街に中国人観光客があふれ、住民がごみの不法投棄や夜中の大騒ぎに怒りを隠さない。住民と中国人の分断は深く静かに進行している。

あいりん地区のドヤがホテルや民泊施設に

周辺に民泊施設が多い天下茶屋駅(画像:高田泰)
周辺に民泊施設が多い天下茶屋駅(画像:高田泰)

 大阪市は11月から事業者を監視・指導するチームを市保健所に置くことを決め、全施設の実態を調査して法令違反を確認すれば認定の取り消しを含めた強い対応を取る方針だ。

 これに合わせ、内閣府と国家戦略特区関係の法令改正について協議に入った。市観光課は

「国家戦略特区法の条文はあいまいな表現が多く、強い対応が難しい。法令改正でより強い対応をできるようにしたい」

と説明する。

 これに対し、内閣府地方創生推進室は「法令は過去に改正され、改善命令や業務停止命令が出せるようになった。今の法令でも強い対応を取れる」と反論する。協議は続くが、どこで折り合うのか、見通せない。

 新今宮駅はJR西日本、南海電鉄が乗り入れる交通結節点だが、南側に日雇い労働者の街・あいりん地区が広がる。かつて日本最大のドヤ街と呼ばれ、路上生活者がいた地域も大きく変わった。

 広さ約0.6平方キロメートルに労働者向けの簡易宿所が並んでいたが、次々にホテルや民泊施設になり、外国人が宿泊している。2005(平成17)年に約2万5000人いた地区人口が2022年で約1万8000人に減り、商売が成り立たなくなりつつあるためで、売却先の多くが中国系という。

 駅前に並ぶホテルはシングルで1泊5000円前後の料金。中国人観光客がひっきりなしに出入りする。まるであいりん地区が

「中国人街」

になった感じだ。この先、西成区はどうなってしまうのだろうか。

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